一休寺薪能について

同志社女子大学 京田辺キャンパスに位置する京都府京田辺市には『酬恩庵(しゅうおんあん)』というお寺があります。 そこは「とんち」で有名な「一休さん」こと一休宗純(西暦1394年〜1481年)が晩年を過ごしたことから「一休寺」として知られています。 当時、一休は多くの人びとに禅の教えを説いていましたが、そのなかに能楽師として高名を馳せた金春禅竹(西暦1405年〜1470年)がいたとされています。 やがて金春は一休のまえで能を披露するようになり、その高い精神性に深い感銘を受けた一休は、みずから謡曲を書くほど能の世界に没頭しました。
それから570年あまりたった現在も、酬恩庵では毎年中秋の名月のころ、夕闇に灯りをともして『一休寺薪能』が行われています。 なお「薪能」の呼び名は、この地域が昔から「薪」という地名であったことに由来するという説もあります。

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