能と蝋燭能について
能楽とは
日本の伝統芸能である「能」は、面(おもて)をつけた演者が謡(うたい)や囃子(はやし)などに合わせ て物語を演じる舞台芸術です。室町時代(西暦1336年~1573年)に成立し「幽玄(ゆうげん)」と呼ばれる深遠で、優美な美意識を特徴とします。
歴史や伝説、文学作品などをモチーフとし、洗練された様式と象徴的な表現によって、人間の内面や精神性をふかく描き出します。その静かで格調高い雰囲気は、観る者の心を捉え、日本の美意識を今に伝える貴重な文化遺産と言えます。
蝋燭能とは
「蝋燭能(ろうそくのう)」とは、照明にロウソクを もちいた能の上演形式のひとつです。
能舞台は通常、自然光や電気照明によって照らされまが、蝋燭能では舞台の周囲や重要な場所に灯されたロウソクの炎だけが光源となります。
この揺らめくロウソクの光は、独特の雰囲気と幽玄さを舞台にもたらします。演者の面(おもて)や装束などは、炎の明滅によって陰影をおび、幻想的で深遠な 世界観を創り出すのです。
また、ロウソクの光は観客の視界を限定することで、観客の想像力を掻き立て、より深く能の世界に没入させる効果があるとも言われています。
蝋燭能では、たんに照明を暗くするだけではなく、ロウソクの配置、数、種類などを工夫することで、演出の意図に合わせた特別な光の空間がつくりあげられます。能のもつ静けさ、精神性、そしてロウソク自体がもつ神秘的なイメージが共鳴することで、特別な観劇体験を提供するのです。
近年では、伝統的な能の魅力を改めて見出す試みや、特別な催しとして、蝋燭能が上演されることがあります。暗闇の中に浮かび上がる能の姿は、現代の観客にとっても新鮮で、忘れられない印象を与えるでしょう。
薪能とは
coming soon・・・
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